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まれてきたことが、カイロ、北京へとつながり、また、その成果は測り知れないほど大きなものとなったのです。今日、明日と2日間の会議で、皆様方の討議を通じて、「ジェンダーと開発に関するマニラ提言」をまとめていただきたいと思います。
ここには、昨年8月末に東京で開催された国際女性・人口・開発会議に出席できなかった国会議員の方々が多数いらっしゃると思います。しかし、この東京で採択された国際女性・人口・開発会議宣言は広くマスコミが世界に伝えることとなり、その直後に続いた北京の女性会議でも取り上げられ、成功の一翼を担いました。議員会議の決議が重要な役割を果たしたのです。
北京の行動綱領では、その前のカイロ会議で合意されたゴールを改めて確認しています。カイロのICPD行動計画では、2025年までに達成すべきいろいろな目標を掲げ、女性の前進のための障害を除去していこうと、さまざまな数値的目標を設定しました。
行動計画では、特に女児に焦点を当てた初等教育の徹底が必要であると述べ、さらに母性保護、乳幼児の死亡率の減少に対する目標を数字でうたっています。そして、質の高いリプロダクティブ・ヘルス・ケア、家族計画について、様々な選択肢があると記した文章は、今、世界中に広く配布されています。
このような会議を受けて、多くの国々で政策の調整がとられ、各国ではその目標達成するために様々な行動プログラムが始まっております。また、国連においてはIPCD、コペンハーゲンの社会開発サミット、第4回世界女性会議の成果を受けて、国連の施策ガイドラインの内容とその手順の見直しを行っております。
具体的には、私どもUNFPA事務局長サディク博士が座長を務めている国連のインターエーシェンシー・タスク・ホース(機関調整行動委員会)が中心になって、国連の各国現地事務所に対して具体的な指示を出し、行動計画を投影した様々なプログラムを実践しています。
こういった目標を達成の可否、また、私たちが今後どのように行動できるかは、人類の将来を大きく左右します。IPCDの行動計画の中でも、このような挑戦に取り組んでいくうえで、持続的な経済成長と開発が重要であるとうたわれています。それには食料の安全保障も含まれますが、人々の福祉、安寧、生産性を達成するためには、このような分野に取り組んでいくことがもっとも有効な戦略です。
カイロ、北京における国際会議では、男女の格差をなくし、人々に投資すること、そして健康を確かなものとし、教育を普及していくことが、まさに開発の基盤であるということを改めて確認しました。
(財)アジア人口・開発協会、そして桜井新先生が議長を務められますAFPPDはまさに、この問題に果敢に取り組んでおられ、きわめて包括的な思慮と人間を中心に据えたビジョンをもって開発のための努力を進めてこられました。

 

 

 

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